VOL.12 (平成16年 7月25日発行)

はじめに
 患者さんに継続した医療を受けていただくには
病院と病院
病院と診療所
診療所と診療所の連携を
1疾患の特性と病態(病名別)
2疾患の経過別(短期か長期か)
に分けて各医療機関別に機能を整備すべきだと考えます。今後連携のネットワークを無視しての医療は殆ど不可能になると考えます(専門病院やセンターは別です)。

病院
 病院の院は入院の院です。なのに日本では入退院の基準が明確だとは 言えない事が大問題です。 どの病院でも、本当に入院が必要な方が入院しているのかを問われています。
 つまり病院は入院せねば出来ない治療と、外来は病院でないと出来ない検査と治療を主としており、 退院後や落ち着いた患者さんは「かかりつけ医」である診療所にお願いすることになります。
この道筋が病診連携です、 しかし現実は連携を阻む問題がいくつもあり一つずつ解決せねば なりません。

診療所
 日本の医療の特徴とて、プライマリケアや家庭医としての研修は殆どされ ておらず、病院も診療所も専門性を打ち出し同じ様に診断し、治療して いる部分が多くあります。これは競合であり、このままでは決して連携は うまくゆきません。
 少し横道に逸れますが、病院群では国立病院は国がするにふさわしい 医療を、県立病院は県としてふさわしい医療を、そして地方自治体病院 (市町)立病院、赤十字病院、掖済会病院等、殊に民間病院はどの様な 医療をなすべきか存亡をかけての変革がはじまっています。

 キーワードは"地域住民の求める医療"であって病院が何が出来るかでは ありません。
 しかし日本の医療を本当に左右するのは診療所です。「かかりつけ医」こそ が患者さんとの接点だからです。
 本年4月より宝塚市医師会会長が山崎之嗣先生になり、診療所は 「かかりつけ医」としての十分な機能が発揮できるよう、役割分担と 医療機能連携の確立をめざさねばならないと言っておられます。
 診療所にも間違いなく変革の時期が来ている様です。

追伸
 10年以内に無くなること、・・・先生一人の診療所で「内科・外科」の看板

 
           院長  馬殿芳郎
医療法人回生会宝塚病院
 [理念]
 1.心がかよう、患者さんに信頼される病院

 2.調和・進歩・向上

 3.地域社会への奉仕
 [基本方針]
1. 奉仕の精神を持ち、常に患者さんの立場に立った医療を行います。
2. 説明と合意に基づいた納得ゆく医療を行います。
3. 医療人として生涯学習に努め、医療の質の向上を目指します。
4. 地域の皆様の健康、保健のため開かれた病院を目指します。

家庭でできる創傷処置

小島 善詞
(外科)
 先般、傷の治療方法に関して、大きなパラダイムシフトが医療の世界で起きています。先日来、外科外来に表示しておりますように、「閉鎖療法」と言われる治療法です。
 今まで、皆さまがご存じの治療法とは、マキロン、イソジンなどに代表される消毒薬を傷口に塗って、ガーゼを毎日取り換えるというものでした。そこには、傷口にはばい菌が蔓延していて、ばい菌を殺せば傷は正しく治り、ばい菌を放置すれば傷は膿んで治らない、と信じ込まれてきました。
 新しい治療法は、人間の自然治癒力を正当に評価しています。傷口にはばい菌がいるけれども、それは水で洗い流せばよい、とします。人体の細胞まで傷害する消毒薬は使わずに、傷口を湿潤環境においておけば、傷はきれいに治るし、痛くもないのです。
 私たち外科スタッフは、「消毒とガーゼ」は西洋医学のまちがいであり、過去の遺物であると断言いたします。
さて、家庭でできる創傷処置を説明しましょう。
 処置を行うのは、もちろん患者さん自身です。家族の方でも結構です。使用するものは、「食品包装用ラップ」と絆創膏、包帯です。 具体的には・・・


     
汚れが落ちてきれいになった傷に、傷口よりも大きく切った「ラップ」を当てて、ラップの四辺を絆創膏で固定します。これは傷汁(滲出液)を閉じこめるためですが、深い傷では傷汁も多くなるので、ラップの上からタオルなどで覆うのも良いでしょう。ラップの目的は「傷の乾燥」を防ぐためですから、ケチらないでください。もし白色ワセリンなどの親水性軟膏が手元にあれば、傷口にべったりと塗ってください。
        
最後に、この上に包帯を巻いて、1日目の処置は終了です。

        
最初のうちは傷汁も多くでますので、ラップの交換も1日1・2回行ってください。この際も、最初と同じように、傷口を水で充分に洗ってからラップを貼ってください。最初の時ほどは痛くないのでご安心を。
 そのうち、表からラップを通して傷口を見ても、傷汁がほとんど溜まらないようになってきます。そうすれば、1日に1回、2日に1回と交換の頻度を減らしてください。早ければ3・4日できれいな皮膚が再生してくるはずです。

注意:ラップを貼ると汗疹(あせも)ができることがありますので、汗疹ができやすい人は頻回(1日2回ほど)に取り換えた方が安全でしょう。また、傷汁が汗臭くなってくることがありますが、これは心配ありません。ただ、饐えた臭いがするようならよく洗って頻回に交換された方が良いでしょう。
 ともかく大事なこと、ポイントは、「傷を消毒しないこと」「傷を乾かさないこと」です。

 最後に、この治療法の一番の問題点は、この治療法を理解し、実行に移している医者が極めて少ないことです。今後も、この治療法が、広く医療機関に採用されるようになるには、まだ数年、あるいは十数年かかるだろうと思います。
医者がしてくれないなら、自分でやってしまおうではありませんか。
まず、出血していたら、圧迫止血してください。かなりの出血でも10分も押さえればほぼ止まります。ただ、動かず、騒がず、じっと同じ場所を押さえ続けることがポイントです。出血が少ない場合は、キズ絆創膏を貼るだけでも良いでしょう。
出血が止まれば、傷まわりの汚れ(ばい菌)を水(水道水)で洗い流します。ぬるめのお湯が痛くなくて良いですね。傷跡を残さず、きれいに治すためには、ここが我慢の為所、歯を食いしばれ!

        

骨づくりに働く栄養素
金南 ちあき
(給食)
 骨粗鬆症は骨の量(密度)が減り、ささいなことでも骨折を起こしやすくなる病気です。なかでも、足の付け根の骨折は寝たきりにつながりやすいので、気を付けて下さい。
 骨作りを助ける栄養素として、カルシウムがよく知られています。カルシウムを含む食品として、牛乳や乳製品がよく知られていますが、他にも大豆製品・ 丸ごと食べられる魚(ししゃも・しらす干し等)や小松菜などにも、カルシウムが多く含まれています。
 牛乳に含まれる乳糖でおなかが、ゴロゴロしてしまう方 (日本人の約2割)は、スキムミルクを料理に取り入れると良いでしょう。 マヨネ−ズに混ぜたり、シチュ−の中に入れたりすると食べやすくなります。

〈カルシウムを多くとるポイント〉
・浸し等にサクラエビを加える→大サジ2杯で132mg+
・酢の物にシラス干しを加える→大サジ2杯で52mg+
・ほうれん草の献立を小松菜へ換える→小松菜はほうれん草の5倍のCaを含む

当院の医療機器をご紹介
 
「血圧脈波検査装置 form PWV/ABI」
ご存知のように、生活習慣病の1つである糖尿病の合併症は血管病変に起因するもので、 QOL(生活の質)の低下につながるばかりか、大半の患者様が虚血性心疾患や脳血管病変に なられているという報告もあります。
また、血糖・血圧コントロ−ルや3大合併症(糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症 糖尿病性神経障害)の検査同様に、早期から定期的に検査を行い、 血管の硬さや狭窄・閉塞度など血管そのものの状態を観察することが大切です。
血圧脈波検査装置(form PWV/ABI)は、動脈硬化の評価を行う為に 必要な動脈の狭窄・閉塞そして動脈の硬さを測定し、心・血管疾患の 早期発見及び予防にもつながる装置です。
  
   

[患者の権利]
患者様の人権を尊重し、患者様と病院・職員との相互の信頼関係に基づいた医療を共同して作りあげていくために、当院は「患者さんの権利と責務」を定めています。
1. ご自分の病気や診療のことで疑問があれば、どのようなことでも質問する権利があります。
2. 検査や治療を受けるときには、よく理解できる言葉で説明を受け、自らの意志でそれを選択・決定する権利があります。
3. 診療の過程で得られた個人情報やプライバシーは、守られる権利があります。
4. 良質な医療の提供を受けるため、患者様はご自分の健康に関する情報について、医師をはじめとする病院職員にできる限り正確に提供する責務があります。

よもやま話