VOL.15 (平成17年12月25日発行)

 宝塚病院は昭和31年春、開設以来、地域医療に携わってきました。 その間、地域の皆様、医師会をはじめ多くの医療機関の方々等の御指導、御協力を受け、少しずつ発展して参りました。微力ながら地域に貢献できたと考えております。
 開設後6回の増改築をいたしましたが、構造的に限界となり開設50周年を期に全面新築移転する事とし、平成17年の春より着事し、18年2月に竣工となります。 「良質の医療を安全で効率良く」を目指して50回以上もの打ち合わせをし、患者さんのことを第一に考え、設計変更を繰り返してきました。
 病室は広く四人部屋でも8平方メートル以上、トイレ・洗面所付きになります。外来は患者さんの導線を考慮し、検査等と一体化。 効率化にも重視し、X線やCT、MRI等はフィルムレスとなり各所にIT化を図りました。
 今の新館と本館も改修しますので、全館が完成するのは夏になります。その間今しばらく御迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。ビデオ説明も行う予定です。
院長  馬殿芳郎
医療法人回生会宝塚病院
 [理念]
 1.心がかよう、患者さんに信頼される病院

 2.調和・進歩・向上

 3.地域社会への奉仕
 [基本方針]
1. 奉仕の精神を持ち、常に患者さんの立場に立った医療を行います。
2. 説明と合意に基づいた納得ゆく医療を行います。
3. 医療人として生涯学習に努め、医療の質の向上を目指します。
4. 地域の皆様の健康、保健のため開かれた病院を目指します。


高脂血症
藤高啓祐
(内科)
 高脂血症とは?
 血液中の脂質(わかりやすく言うと脂肪)が異常に多い状態を高脂血症と言います。血液の中には、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、脂肪酸などがあります。 この中で特に動脈硬化と関連するのはコレステロールと中性脂肪です。
 動脈硬化と特に関連が深いと言われているのはリポ蛋白質で、LDL(いわゆる悪玉コレステロール)とHDL(いわゆる善玉コレステロール)があります。
 LDLおよびレムナントと呼ばれるリポ蛋白質が動脈硬化を促進させます。反対にHDLと呼ばれるリポ蛋白質が動脈硬化を予防することが知られています。

高脂血症の原因は?
 腎臓病、糖尿病、肥満症(過食を含む)、甲状腺機能異常症などが原因となります。しかし、これらの原因が見つからず、体質(遺伝的素因)が原因とされる人もおられます。

健康診断の結果は
どの程度のときに
注意が必要か?

 一般の健康診断(人間ドック)では、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪を測定するのが普通です。
 日本動脈硬化学会では、高脂血症の診断基準を下図のように定めています。

治療
 高脂血症の治療の目的は、動脈硬化による病気が起こることを予防することです。腎臓病、糖尿病、肥満症(過食を含む)などの原因がはっきりしている場合や相乗効果(相悪効果?)を示すとされる喫煙などがわかっている場合は、早急にこれらに対して手を打つべきと考えます。これらの原因に対する治療を行っても改善が十分でない場合は、代謝異常や体質の可能性もあります。
 具体的な治療に関してですが、まずは生活習慣の改善と考えます。
食事療法と運動療法が基本となります。 

食事療法として
1 コレステロールが高いときは
 ・コレステロールの多い食べ物を摂り過ぎないようにする。(糖尿病、肥満症に応じて)
 ・脂肪を摂り過ぎないようにする。
 ・カロリーを摂り過ぎないようにする。
 ・食物繊維の多い食べ物を摂る。
【コレステロールの多い食べ物】
卵、バター、ケーキ、牛乳、チーズ、えび、脂身たっぷりのお肉 など
【食物繊維の多い食べ物】
コンニャク、キノコ、海藻、緑黄色野菜、大豆 など
2 中性脂肪が高いときは
 ・カロリーを摂り過ぎないようにする。(糖尿病、肥満症に応じて)
 ・糖分やアルコールを摂り過ぎないようにする。
 ・食物繊維を多く摂る。
などがあげられます。

運動療法として
 運動療法は動脈硬化を起こすLDL(悪玉コレステロール)を低下させ、動脈硬化を予防するHDL(善玉コレステロール)を増加させます。また、中性脂肪、血圧、および血糖も低下させるので高脂血症や糖尿病の治療だけでなく動脈硬化の予防にも有効と考えられます。

食事療法や運動療法を
しっかり行っても
血液中の脂質が
あまり改善しないときは

 患者さんによっては、薬を使ってコレステロールや中性脂肪を改善させないといけない場合があります。すでに心筋梗塞などの動脈硬化による病気を起こしてしまった人、 また、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病も合併している人などは特にしっかり治療しなくてはならないと考えます。
 以上、簡単ですが高脂血症について述べさせていただきました。何かわからないことなどありましたらいつでも遠慮なく問い合わせください。












 <参考文献>
 内科学 朝倉書店
 日本動脈硬化学会 高脂血症診断基準
 その他

  
【図】
高脂血症の診断基準(血清脂質値:空腹時採血)
高コレステロール血症 総コレステロール 220mg/dL以上
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール 140mg/dL以上
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL以上
高トリグリセリド血症 中性脂肪 150mg/dL以上

適正体重を維持していますか?
金南 ちあき
(管理栄養士)
 もうすぐ、お正月ですね。「おせち料理を食べ過ぎて、ついつい体重が増えてしまう」という経験はありませんか。まずは自分の適正体重を知ることです。

[適正体重]
 適正体重=〔身長(m)×身長(m)〕×22
で求めることができます。
(例:身長160cmの方は、〔1.6(m)×1.6(m)〕×22で56kgになります。)
 標準体重よりも体重が重いと、一般に高血圧や糖尿病になる確率が上昇すると言われています。肥満が軽いうちに、体重コントロールを始めることが大切です。また、反対に痩せの場合、過度のダイエット志向は鉄・カルシウムなどが不足しがちです。偏りのない食生活を心がけましょう。
 もちろん肥満や痩せを改善することも大切ですが、一番大切なのは適正体重の維持です。飲酒やストレス、運動不足など様々な要因で体重は変化します。体重の増減の変化の幅が小さいうちに、適正体重に近づけるようコントロールしてください。

当院の治療空間の設備をご紹介
SIEMENS SOMATOM Sensation
日本で30台目!
兵庫県第一号機!
 本館移転に伴い、平成18年2月より最新鋭CT装置の
SIEMENS SOMATOM Sensation』が導入されることになりました。
 現在、稼動しているCTはシングルスライスCTといって1回転で1スライスの画像データを収集します。今度導入されるシーメンス64スライスCTは1回転で64スライスの画像データが収集できます。 それに伴い撮影時間の短縮や大幅な被爆の低減が可能となりました。
+
 例えば、これまで30秒前後かかっていた胸部CTが5秒程度息を止めるだけで検査が終わり、1分以上かかっていた胸部腹部CTは10秒程度になります。 長く息を止められない患者さんの息止めによる負担がかなり軽減されました。
 日本は医療機器でのがん発生率が世界一といわれています。患者さんの中には放射線被曝のことを大変心配されている方もいると思われます。 しかし、シーメンス64スライスCTでは検査部位や体型に合わせて細やかな線量コントロールで最大66%以上の線量低減と画質の向上を可能とします。 人体の構造や形状をソフトウェアが解析して成人や小児に合わせたより細やかな管電流制御を可能にしました。
[患者の権利]
患者様の人権を尊重し、患者様と病院・職員との相互の信頼関係に基づいた医療を共同して作りあげていくために、当院は「患者さんの権利と責務」を定めています。
1. ご自分の病気や診療のことで疑問があれば、どのようなことでも質問する権利があります。
2. 検査や治療を受けるときには、よく理解できる言葉で説明を受け、自らの意志でそれを選択・決定する権利があります。
3. 診療の過程で得られた個人情報やプライバシーは、守られる権利があります。
4. 良質な医療の提供を受けるため、患者様はご自分の健康に関する情報について、医師をはじめとする病院職員にできる限り正確に提供する責務があります。