VOL.3 (平成12年 1月 25日発行)

現在、高齢化が著しく進んでいます。厚生省の推計では、2000年には寝たきりのお年寄りは全国で約120万人、介護が必要な痴呆症の方は約20万人、要介護の予備軍ともいえる虚弱な方は約130万人で計280万人。そして、高齢化がピークを迎える2025年には約520万人に達するといわれています。さらに介護を必要とするお年寄りが増加する一方、核家族化や少子化の影響もあり、高齢者の介護を各家庭にゆだねるには、手間や金銭面でも限界が有り、介護する側の半数以上が60歳以上になるという「老老介護」が深刻化しています。
また、現在の老人福祉制度では、受けたいサービスが選択できない、あるいは寝たきりのお年寄りを受け入れる施設が少ないなど、さまざまな問題が生じていました。そこで創設されたのが、「介護保険制度」です。

老後の最大の不安である介護の問題を、家族だけではなく社会全体で支える仕組みづくりを目的に、医療保険制度、年金保険制度と並ぶ、社会保険制度の一つとして、2000年から施行されます。本来医療と福祉、介護は関連すべきものであり、今後、そのあたりをどのように調整するのか、またサービスの質の問題などもありますが、この制度の導入により、一定の保険料を支払うことにより、介護が必要になったときに、その状況に合わせて、ホームヘルパーの派遣や施設への入所など、さまざまなサービスを受けることができます。



「介護保険制度」の仕組とサービスについて
介護保険の対象者は

介護保険制度を運営するのは各市区町村で、介護サービスを行ったり、利用者(被保険者)からの「介護の申請をチェックしたり、利用申し込みも各自治体になります。介護保険の被保険者は、65歳以上の「第一号被保険者」と、40〜64歳までの「第二号被保険者」に分かれます。40〜65歳の人で特定の病気により介護が必要になった場合も、介護サービスは受けられます。(表1)
65歳以上の人が支払う保険料の基準額は、各市区町村の介護サービスの普及状態により異なります。サービスが充実している自治体では若干基準額が高くなり、サービスが不足していると保険料も低くなる見込みです。昨年7月末の厚生省の集計によると、基準額の全国平均は平成12年度が月額約2,885円といわれています。保険料は本人または世帯の所得に応じて5段階に分かれ、低所得者の負担軽減措置も図られます。月15,000円以上の公的年金を受けている人は、年金から自動天引き、それより少ない人や遺族年金・障害年金を受けている人は、市区町村に直接支払います。また、40〜64歳の人の保険料は、標準報酬月額(税込み月収)に介護保険料率をかけたものになり、それぞれの給与に応じて異なり、このとき、専業主婦など扶養家族の分も、同時に支払われることになります。介護保険の保険料は原則として事業主が半額を負担。ただし自営業者など国民健康保険加入者の場合は、国が半額を負担します。
(表1) 介護保険制度の加入者区分とその概要
第1号被保険者 第2号被保険者
介護保険制度の
加入者
65歳以上の人 40歳以上65歳未満の医療保険に加入している人
介護サービス
対象者
寝たきり・痴呆などで入浴、
排せつ、食事などの日常の
生活動作について常に介
護が必要な人
家事や身じたくなどの日常
生活に支援が必要な人
初老期痴呆、脳血管障害
など、老化にともなう病気に
よって介護などが必要に
なった人
保険料
所得段階に応じて5段階に
分かれる
金額は市区町村ごとに設定
加入している医療保険の
算定方法に基づいて設定
保険料の半額は事業主が
負担
(国民年金保険は国が半額
を負担)
保険料の
支払方法
年金額が一定額以上の人は、
年金から天引き
それ以外の人は市区町村に
個別に支払い
医療保険料と一括して
支払う

介護保険で利用できるサービスは


介護保険で利用できるサービスは、「在宅サービス」と「施設サービス」の2つに大きく分けられます。在宅サービスは在宅介護をサポートするサービスで、ホームヘルプサービス、日帰りリハビリテーション、訪問入浴・看護などがあります。一方、施設サービスは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などへの入所・介護サービスがあります(表2)。

(表2) 介護サービスの内容

在宅サービス 施設サービス
要介護者
1〜5段階
訪問介護(ホームヘルプ)
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
日帰りリハビリテーション(デイケア)
居宅療養管理指導
(医師・歯科医師による訪問診療など)
日帰り介護(デイサービス)
短期入所生活介護(ショートステイ)
短期入所療養介護(ショートステイ)
痴呆対応型共同生活介護
(痴呆性老人のグループホーム)
有料老人ホームなどにおける介護
福祉用具の貸与・購入費の支給
住宅改修費の支給
(手すり、段差の解消など)
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
介護老人保健施設
(老人保健施設)
介護療養型医療施設
・療養型病床群
・老人性痴呆疾患療養病棟
・介護力強化病院
(施行後3年間)

要支援者
痴呆対応型共同生活介護」以外の
上記サービスが利用できます。
要支援者は施設入所は出来ません
(表3) 介護サービスを受けるまでの流れ
これらのサービスを受けるためには、まず介護の必要度を認定してもらう「要介護認定」が必要です(表3)。
本人や家族が市区町村に申請し、聞き取り調査をもとにコンピュータ処理を行い一次判定します。申請の受付は昨年の12月からスタートしています。この判定結果と主治医の意見書をもとに市区町村の介護審査会が、全国一律の基準に従い二次判定します。要介護認定では、要介護度を「自立」「要支援」「要介護(5段階)」など7段階に分かれます。要介護度によって受けられるサービスが異なり、受けたサービスの費用の9割が介護保険から支払われ、1割が本人または家族の負担になります。サービス内容や保険料の詳細については、お住まいの市区町村の担当窓口でご確認ください。









「介護を受けたい時」
平成12年4月の介護保険実施に向け介護認定審査も真っ最中です。平成8年から10年までは介護保険モデル事業認定審査委員長として、そして平成11年からは認定審査会会長として、準備を入れると約4年間、厚生省や日本医師会と様々な検討を重ねてきました。そして、ようやく介護保険制度がスタートすることになりました。
介護保険制度の概略は前述の通りです。
調査員が来られたり主治医に意見書をお願いする時のコツは?とよく聞かれます。「いつもの様子をありのままに」が一番です。要介護認定での要介護度を下げようとする調査員や審査員はおりません。宝塚市の審査会は8グループあり各々保健、医療、福祉の専門家5名から成っており、寝たきりの度合、痴呆の様子等について『どれくらいの手間を要するのか』を審査します。基本は誰もが公平にサービスを受けられるようになっており、どの調査員、どの審査員が審査しても同じ結果になることです。宝塚市は兵庫県下では一番早く、全国でも早くから審査の準備を進めています。

院長 馬殿 芳郎






「生活習慣病」
生活習慣病とは、以前「成人病」と言われていたもので、加齢にともなって罹患率が高くなる疾患群として扱われていたものでした。しかし、糖尿病、高血圧症などが、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣を基盤として発症していることから、生活習慣病と言われるようになりました。
食習慣の疾患群として、インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症、高尿酸血病、循環器病、大腸ガン、歯周病などがあり、運動習慣として、インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧、喫煙に関するものとして、肺扁平上皮ガン、循環器病、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病、飲酒に関するものとして、アルコール性肝疾患があります。
そのため、食習慣に関しては、過食、偏食、高食塩食、不規則な食事、飲酒等を改善することによって生活習慣病を予防することができます。
栄養士 山田 眞弓


当院の医療機器をご紹介
「MRI装置」 放射線科

近年MRIの技術の進歩はめざしいものがあり、当院のMRIも平成4年の導入以来7年の歳月が経ちました。この度平成11年10月に新しいMRIの入れ替え工事が終了しました。
これによりCTでわからない超急性期の脳梗塞やMRCP(呼吸の停止だけで膵胆領域の描出)や広い範囲の脊椎等の撮影が出来るようになりました。また他の画像も一段と向上し、より早い撮影が出来るようになりました。
頭部MRA 超急性期の
脳梗塞MRI像
広範囲での
脊椎撮影
MRCP