循環器科 | カテーテル検査・治療

カテーテル検査・治療について

目的

カテーテル検査には、以下のような種類があり 各病態に応じて検査を行います。

冠状動脈造影 冠状動脈(心臓を栄養する血管)を造影し、狭心症、心筋梗塞の原因となる動脈硬化性狭窄(コレステロール等がたまって血管が細くなる)の有無を調べます。狭窄がない場合には、冠攣縮誘発テスト(冠動脈のけいれんの有無)を行う場合があります。
左心室造影 左心室(心臓の部屋)の造形を行い、心臓の壁の動きの状態、ポンプとしての機能を調べます。
右心カテーテル検査 心腔内(心臓の部屋)の血圧を測定し、心臓の機能を評価します。
末梢動脈造影 下肢動脈や腎動脈、シャント部に狭窄や閉塞がないか調べます。

以上の結果よりあなたの病態を把握し、治療方針を決定します。

合併症

循環器科では、年間500例の心臓カテーテル検査を行っております。その中で、重大な合併症のおこる確率は、死亡0%、輸血を必要とする出血0%、血管障害(脳梗塞、狭心症発作、心筋梗塞など)0.03%、造影剤アレルギー(ショック)0.3%、と極めてまれです。
これらの合併症に対処するために、検査中は心拍数、血圧等を常に監視した状態で行いますのでご安心ください。

その他

  • 針を刺した部位の止血を行うために、圧迫帯を手首に固定します。また、まれに穿刺(せんし)部より血液が漏れて、比較的大きな腫れができる場合がありますが、3~4週間で吸収され消失されます。
  • 造影剤アレルギーの既往のある方は、必ず医師または、看護婦に申告して下さい。検査の前に、アレルギーに対する前処置を行います。
  • 以上、治療に関して不明な点がございましたら、主治医あるいは検査担当医にご質問下さい。
  • 尚、希望される場合は親族のうち2名まで見学可能ですので、主治医にお申し込み下さい。

経皮的冠動脈形成術について

目的

経皮的に(局所麻酔)細くなった冠動脈の狭窄(きょうさく)病変を拡げ、心筋への血流量を増加させます。この治療により、狭心症は軽減し、複数の冠動脈狭窄がある場合には、長期の生存率が改善することが知られています。

方法

実際の手技はほとんど冠動脈造影検査と同じです。造影の後、冠動脈内にカテーテルの中から、柔らかく細い針金(ガイドワイヤー、直径0.35mm)を挿入し、狭窄部を通過させ、このガイドワイヤーに沿ってバルーン(風船)を押し進めます。(風船の種類は数種類あり、至適な風船を選択します。)

狭窄部で風船を拡張し、十分な拡張が得られたことを確認し終了します。狭窄部位の形態によっては(もしくは、風船治療にても拡張が不十分な場合)、ステント(網目状の金属の筒で血管を内側から指示する器具)を狭窄部に留置する場合もあります。
本院では、97%は上肢からの手技となっており、術後でも歩行が可能です。手技時間は30分から1時間となっております。

末梢血管形成術について

対象疾患は、閉塞性下肢動脈硬化症、重症虚血肢 (Critical Limb Ischemia)、腎血管性高血圧症、透析患者さんの内シャント狭窄等が挙げられます。 
治療の実際は、X線透視装置を使用して、ワイヤーとカテーテルにより病変を治療します。局所麻酔による穿刺のみで、体に切開を入れないため、体への負担が小さいというメリットがあります。造影剤を使用して、血管を造影しながら治療を行います。